作品情報
★第94回アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞ノミネート
★2021年サンダンス映画祭 ワールドシネマドキュメンタリー部門審査員特別賞&観客賞
★2021年山形国際ドキュメンタリー映画祭市民賞
2021年/インド製作/1時間33分/ヒンドゥー語
監督・撮影・製作:リントゥ・トーマス&スシュミト・ゴーシュ
出演:カバル・ラハリヤの取材記者たち
ストーリー
インド北部、ウッタル・プラデーシュ州で、カースト制最下位「ダリド」の女性たちが立ち上げた週刊新聞「カバル・ラハリヤ」=「ニュースの波」の女性記者を追うドキュメンタリー。
カースト制のヒエラルキー「バラモン」「クシャトリヤ」「ヴァイシャ」「シュードラ」の最下位に位置するのが不可触民のダリド。いまだにこの愚かな階級制度と家父長制に縛られているインドで、ダリドの女性たちは男社会の横暴に振り回され自由を奪われている。カーストのみならず、貧困、差別、ジェンダー問題が渦巻くインドの地方で、「カバル・ラハリヤ」の女性記者たちは、多発するレイプ事件の被害者や家族を取材し、警察に乗り込んで被害届の記録と対応を問いただす。しかしどの警官も事実から目を背け、質問にはまともに答えないか嘘をついてはぐらかす。しかし記者たちはくじけない。
現に農地や道路整備、電気の不通などの問題を紙面に掲載すると1週間ほどで行政が動き出し改善された実績があるからだ。知識も経験も豊富な主任記者ミーラは、時勢に乗り、紙媒体から、SNSとYouTube発信を主とするデジタルメディアへの移行に挑む。新人記者の中にはヒンドゥ語しか読み書きができず、スマホなど触れたこともないという女性もいるが、ミーラは根気よく指導して育ててゆく。
やがて再生回数が100万回を突破し、驚きの反響に士気を高める女性記者たち。しかし肝心の政治社会は、ヒンドゥ教とラーマ神ばかりを崇め現実から目を背けている。そんな男たちに核心を突いた鋭い質問を浴びせるミーラたち。カメラは、命懸けで取材に走る記者たちを追い続ける。
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